あら
これは……
ノビル……ノビルね!
覚えていたな、これは体に精がつくぜ。
今の季節
体に力をつけようと思ったらこれさ。1991年 株式会社小学館 花咲アキラ/雁屋晢『美味しんぼ/32』 18頁より引用
グルメ漫画の名作『美味しんぼ』の数あるエピソードの中で、「上位5つを選べ」と言われて真っ先に頭に思い浮かぶ『お見舞いの決め手(ノビル)』。
スーツを泥だらけにして、二人の秘密の場所から、ノビルを持ち帰る主人公……。
この人の側にいようと決心するヒロイン……。
ファンならずとも何度も読み返したくなるエピソードです。
さて、つくしのシーズンが終わったと思ったら、食欲をくすぐるような香りが家の辺りを包むようになりました。
香りを放つ主は、美味しんぼのヒロイン・ゆう子さんが「舌の中心から頭の奥のほうまで切り込んでくる香気と刺激がたまらない」と絶賛した野草「ノビル」。
二人の秘密の場所はここだったのか……笑。
「覚えていたぜ!山岡士郎」とつぶやき、山のように収穫しました。
漫画によると、球根をさっと湯がき、酢味噌で食べるのが美味しいそうですが、我が家の定番は「醤油漬け」。長期保存ができ、ご飯や冷奴によく合いますよ。
ノビルの下処理と醤油漬けの作り方は、動画でも紹介していますので、ぜひ、ご視聴ください。
目次
「ノビル(野蒜)」は古事記の時代から春の野で摘む野草として有名
ネギのようなノビルの葉は、冬でも青々としており、年中採取できる山菜です。
古事記の時代から、春の野で摘む野草の一つとして有名でした。
ノビルは漢字で「野蒜」と書きます。
「蒜」はネギの古名で、ノビルとは「野にあるネギ」という意味で名付けられたようです。
春の七草の「スズナ」は古い時代にはノビルだったという説もあります。
食べ方は生でかじったり天ぷらが定番☆ノビルは食欲不振の解消や消炎などに重宝な野草
ノビルの根の部分の膨らみは、タマネギと同じく、葉が変形、肥大した鱗茎(りんけい)です。
これを掘り採り、洗ったり、軽く茹でたりして、かじるととても美味しいです。
茹ですぎると、味と香りを損なうので、さっと湯に通すのがコツです。
ノビルの鱗茎は胃腸を丈夫にし、強壮剤となり、咳止め、肩こりに効果があるといいます。
常に食べていると、風邪をひきにくくなるとも。
このほか、食欲不振、肺膿瘍、月経不順などにも効果があり、鱗茎を潰して湿布にすれば、鎮痛などにも。
根は素揚げや天ぷらにするのも、オススメです。
柔らかい葉は、細かく刻んで味噌汁に入れたり、薬味としましょう。
我が家では「ノビル味噌」にも加工します。
ノビル味噌の材料
・ノビル…500g
・合わせ味噌…50g
・みりん…30g
・酒…30g
・生姜…1片
「ノビル味噌」の作り方
①ノビルを小口切りにします。
②調理量を混ぜ合わせます。
③フライパンにごま油をひき、強火でノビルを炒めます。
④ノビルがしんなりしてきたら、合わせた調味料を加えて煮詰めます。
⑤水分が飛んだら完成です。お好みで、鰹節を加えても良いでしょう。
ノビルは栽培が簡単で、年中、採集できる野草 鉢植えにしておくと良い
ノビルは薬効が豊富で、年中、採集できる野草です。
とはいえ、都会暮らしでは、手に入りづらいものなので、鉢植えにしておくとよいでしょう。
栽培は非常に簡単で、水と少しの肥料で群生しますよ。
ノビルの下処理と醤油漬けの作り方を紹介した動画
ノビルの下処理と醤油漬けの作り方を紹介した動画(ダイジェスト版)
ビルの下処理と醤油漬けの作り方を紹介した動画(完全版)
ノビルの食べ方と合わせて覚えておきたいおなじみの野草
おなじみの野草の記事も合わせて読んでいただけると、嬉しいです。
美味しんぼに食べ方を取り上げた『お見舞いの決め手(ノビル)』が収録されているのは32巻
ちなみに、美味しんぼに『お見舞いの決め手(ノビル)』が収録されているのは32巻です。
この機会に読み直してみては?