ところどころに汚れた雪を残しながら、職場への道が芽吹きはじめています。「コールドブリューコーヒー」の一段とおいしくなる春が、すぐそこまで来ています。
そんな春の足音に急かされたのか、クラウドファンディングに出資したコーヒーメーカー「GINA(ジーナ)」が届きました。はるばるニューヨークから予定より〝1年半〟も遅れて…です。お国柄ですね(笑)
という訳で、今回は、GINAでコールドブリューに挑戦したお話を紹介します。アメリカで火がつき、2016年ごろから日本でも注目を集めているコールドブリューですが、「水出し」「ダッチ」とも呼ばれ、古くから親しまれてきた淹れ方。まろやかで飲みやすく、カラダへの魅力的な効果もいっぱいです。
目次
コーヒーが苦手な人でも飲める作り方? コールドブリューコーヒーの魅力
実は「コーヒーが苦手な人でも飲めるかも?」シリーズの第3弾として、前々から調べていた淹れ方が「水出し」です。撮影が進まなかったのは前述の通り、結構な額を出資したにもかかわらず、「GINA」が届かなかったから。なんでも10カ月以上遅れての発送だったそうで、さらに私の引っ越しによる配達トラブルが重なり、忘れたころに届いたわけです。そんな、GINAの紹介は、記事の後半に(笑)
ちなみに、「コーヒーが苦手な人でも飲めるかも?」シリーズの第1弾と第2弾はこちら。
「COLD BREW」とは「低温抽出」という意味。コールドブリューコーヒーは、アイスコーヒーと見た目こそ同じですが、抽出方法がまったく異なります。
一般的なアイスコーヒーは、通常、お湯で抽出したコーヒーを、氷で急冷して作ります。一方、コールドブリューコーヒーは冷たい水で抽出します。水はお湯に比べて、抽出速度が遅いので、約8〜12時間かけて、じっくりと作り上げる“贅沢な一杯”。豆もホットコーヒーの倍の量が必要です。
贅沢に、優雅に抽出することで、苦みや雑味のもととなる成分が溶け出しにくく、クリアでまろやかな味わいに。コーヒーが苦手という人でも、コーヒー本来の魅力に気付いてもらえると思います。
コールドブリューコーヒーは「甘みが引き出され、アレンジも楽しい」
コールドブリューは長時間を掛けて、カフェイン、味覚成分、ポリフェノールを抽出します。この結果、酸味が少くなり、甘みが強く引き出されます。砂糖やクリームを減らすことができるという利点も大きいですが、アーモンドミルクやココナッツ、バニラを加えたり、スムージー、ウイスキーと混ぜたりと、アイスコーヒーとは、ひと味もふた味も変わったアレンジが楽しめるのも魅力です。
コールドブリューコーヒーは「鮮度がすごく長持ち」
コールドブリューコーヒーは、なんと、2週間程度、鮮度が持続します。気密容器に入れ、冷蔵庫に保管しましょう。
コールドブリューコーヒーは「酸化が少なく、オナカや歯にも優しい」
コールドブリューコーヒーは、「ホットコーヒーと比べて67%も酸化が起きにくい」といわれています。近年問題になっている酸蝕歯(さんしょくし)のリスクを減らし、オナカにも優しい飲み物だといえます。また、ミネラルを多く含み、アメリカでは、骨粗しょう症予防、鬱(うつ)のリスクを減らすなどの研究結果も報告されています。
コールドブリューコーヒーはカフェイン量が少ない? いえいえ、私は疑問視していますよ
コールドブリューの最大のメリットとして、コーヒー店やブログ記事がうたっているのが「カフェイン量が少ないので、カフェイン摂取を気にする妊婦さんにもおすすめ」という内容。「カフェイン1gの抽出量は、常温なら46ml、80度なら5.5ml、100度なら1.5ml」というデータを“判を押したように”に取り上げ、「コールドブリューの方がカフェインが少ない」と強調しています。
苦みと雑味に焦点を当てた「コーヒーが苦手な人でも飲めるかも?」シリーズ第2弾では、抽出方法にエスプレッソを選択しました。これは「ドリップコーヒーよりエスプレッソの方がカフェインが少ない」という研究報告に、たどり付いたからです。
結論を言えば、多くのお店やブログが見落としている情報が「コーヒー豆と水(お湯)の接触率」です。
ドリップコーヒーの抽出時間は平均3分ほど、エスプレッソは平均30秒ほど、コールドブリューは8~12時間。カフェイン量は、もちろん豆の量にも比例します。コールドブリューコーヒーは、贅沢な一杯だと紹介した通り、ドリップコーヒーの倍の豆を使います。
私は「カフェインが少ない」という説明が、どうも腑に落ちないのです。
悶々とした疑問を、コールドブリューブームの先進地アメリカに住む友人にぶつけました。すると、友人がトーマス・ジェファーソン大学の研究レポートを送ってくれました。レポートには、ドリップコーヒーよりもコールドブリューコーヒーの方が、カフェイン量が多かったという検証結果が書かれていました。6~7時間を境に、カフェイン量が逆転したといっています。
日本の常識、定説をすべて否定する訳ではありませんが、信憑性は高いと思いませんか?コールドブリューコーヒーは、一般的なホットコーヒーに比べてカフェインを1.45倍も多く含んでいるそうです。
とはいえ、水の量やアレンジでカフェインを薄めてもゴールドブリューコーヒーは不思議と本来の魅力も損ないません。また、カフェインにはカフェインのメリットがあります。私が強調したいのは、コピー文化によって、情報が氾濫している世の中ですから、時には自分で調べることも大切だと、改めて思う―ということです。
コールドブリューコーヒーの作り方は2種類
コールドブリューの方法は大きく分けて、2種類あります。
クリアでまろやかな「浸漬式」
挽いたコーヒー豆を冷やした水に漬け、冷蔵庫に入れておく「浸漬式」。
8~12時間後に、ハンドドリップ用のペーパーなどでこしたら完成です。どぶ漬け式ともいわれていますね。
まろやかだが豆の個性を引き出す「点滴式」
専用の器具を使い、挽いた豆に、冷たい水を一滴一滴、点滴のように落とす「点滴式」。
手軽なのは「浸漬式」ですが、私はどうしても「点滴式」で淹れたかったんです。
それは「その様子は見ているだけ癒される」「クリアでまろやかだが、しっかりと豆の個性楽しめる」という話を聞いたから。そして、点滴式の方が、豆と水の接触率を抑えてカフェイン量をコントロールできると思ったからです。
クラウドファンディングでGINAを見付けて一目ぼれ|美しいデザインのコールドブリューコーヒー器具
クラウドファンディング「KICK STARTER」に、ハンドドリップ、フレンチプレス、コールドドリップがすべてできるというコーヒー器具が登場しました。“売り”の「1人3役」や「スマートフォンと連携したドリップスケール」はされおき、そのデザインに一目ぼれして投資。これが前述のGINAです。
点滴式のコールドブリューが可能で、ドリッパーの下についているネジを調節してポタポタと水を落とす…想像しただけで、胸がドキドキしました。
コールドブリューコーヒー器具「GINA」を開封レビュー
では、ドキドキをすっかり忘れたころに到着したGINAの開封レビューを簡単に。
GINAはデザインと使い勝手のバランスが取れたコーヒーグッズだと思います。
ただ、パッキンの出来の悪さなど、突っ込みどころもたくさん(笑)
ガラスサーバーの付属品に、挽いたコーヒー豆がセットできるようになっています。説明書には50gと書いてありますが、40gしか入りません(笑)
好みにもよりますが、コールドブビューは豆10gに対して水100㏄が基本だといわれていますから、一回で作れる量は400~500㏄ですね。
ちなみに、サーバーには500㏄の位置にロゴマークが刻印されています。
また、上部のドリッパー部分に水と氷をいれる仕組みですが、ドリッパーが300㏄なので、途中で水と氷を足す必要があり、面倒と思われる人は多いでしょう。
などと、辛辣に書きましたが(さすがに1年半遅れなので)、ゆっくりと上質なコーヒーが抽出されていく様子は、見ていて飽きませんし、本当に癒されます。
ちなみに、専用アプリと連動しており、仕上がり時間を調整することが可能です。私は、カフェイン量という点からも考えて、あえて5時間で仕上がるようにしました。浸漬式で8時間かけて仕上げたものと比べても、しっかりと抽出されており、コールドブリュー特有の豆の青臭さもありません。文字通り、スッキリまろやかな納得の一杯だと思います。
GINAを使ったコールドブリューコーヒーの作り方を紹介した動画
GINAを使った「炒れ方」は動画にて説明していますので、ぜひ、ご試聴ください。
クラウドファンディングといえば、焙煎機にも投資しています。こちらも手元に届く約束日から1年近くが過ぎています。「手違いで部品が手に入らないから、もう少し待ってね」というメッセージと満面の笑みを浮かべた写真が定期的に届きますが(笑)
【追記】癒されながらコールドブリューコーヒーを淹れならるGINAはやっぱりすごい器具だった
GINAは現在、一般販売されています。ちなみにグッドデザイン賞全受賞対象の中から特に優れた100件として選ばれる賞「GOOD DESIGN賞 2019 BEST100」を受賞しました。